
山形県大蔵村の肘折温泉で14日、「開湯祭」が行われ、地元住民と宿泊客は地蔵みこし行列に温泉のお湯をかけ無病息災や家内安全を祈った。
温泉が807(大同2)年7月14日に発見されたとされ、湯の神様に感謝するため、1998年から「開湯の日」として祭りが毎年開催されている。
神事の後、普段は共同浴場に鎮座する「男地蔵」と「女地蔵」を乗せた2基のみこしが、白装束姿の11人の担ぎ手によって沿道からお湯を掛けられながら、約500メートルの温泉街を練り歩いた。また、地元の子供らが地蔵を囲んで10メートル以上の数珠を回し、一年の健康を願った。
担ぎ手として埼玉県から参加した大学生、五味廉太郎さん(22)は「お湯も温かかったが、地元の方々の温かい歓声を受け、貴重な体験ができた」とずぶぬれになりながらも晴れやかな表情で語った。【竹内幹】