日本の「ジャズの学校」の草分けとして知られる「飯田ジャズスクール」（東京都杉並区）の創立70周年記念のコンサートが4日、杉並公会堂（同区上荻1）で開かれる。同スクールで学び、現在は米ニューヨークを拠点に活躍するジャズピアニスト、海野雅威（ただたか）さん（44）らが登場する。
同スクールは、戦後、人気を博したダンスバンド「渡辺弘とスターダスターズ」のベース奏者だった飯田龍夫さん（1916～2002年）が創設者。国内初のベース教本を出版した飯田さんが前身の「飯田ジャズスタジオ」を55年に開設したのが始まりで、ジャズピアニスト、作曲家の佐藤允彦（まさひこ）さん（83）をはじめ、多くの演奏家を輩出した。新校舎の完成（88年）を機に改称して長男の敏彦さんが2代目学院長に就任。今は子どもからプロを目指す人まで約150人が在籍してジャズの裾野を広げている。
当日は、スクールゆかりのピアニストとして海野さんと宮本貴奈さん（同スクール特任講師）が「協演」する。
海野さんは20年9月、ニューヨークで暴漢に襲われて重傷を負ったが、ミュージシャンらの支援を受け、復帰を果たした。同スクールには東京芸術大在学中に通い、年齢の近い仲間と出会うことができ、「プロの道に進む大きな転機になった」という。「これからもますます、ジャズシーンの発展に貢献するフレンドリーなスクールであり続けてほしい」とメッセージを送る。
午後7時開演。詳細は飯田ジャズスクールのホームページ。【明珍美紀】
