
急な雨が降った時に一定料金で置き傘を借りられるシェアリングサービス「アイカサ」が、大阪周辺で広がりを見せている。アイカサの運営企業は26日、鉄道各社などと連携し、関西エリア約150駅と大阪・梅田駅の半径600メートル以内で100カ所以上にレンタルスポットの展開を目指すと発表した。【峰本浩二】
アイカサ運営のNature Innovation Group(NIG、東京都新宿区)によると、国内では年間で推定約8000万本の使い捨て傘が消費され、資源の浪費や焼却処分などによるCO2排出を招いている。アイカサは既に首都圏のほか、愛知、大阪、福岡などで開始しているが、開催中の大阪・関西万博では10月までの会期中に約2800万人の来場者が見込まれることもあり、本格展開を始めることにした。
プロジェクトは「傘のいらない街 大阪」と銘打ち、NIGと旭化成ホームプロダクツのほか大阪・梅田駅に乗り入れる各社が連携。大阪メトロ24駅▽阪急電鉄全87駅▽阪神電鉄45駅▽JR西日本の大阪環状線、ゆめ咲線計19駅――に順次設置される(大阪メトロ、阪神は一部設置済み)。このほか、梅田周辺では、NU茶屋町などの主要商業施設を中心に、100カ所以上のスポット設置を目指す。鉄道各社ごとにオリジナルデザインの傘も導入される。
NIGの丸川照司社長(30)は「傘を(使い捨てるよりも)借りる方がメジャーな街を、一歩先に梅田で実現できれば」と話した。
使用方法は専用アプリをスマートフォンに入れ、置き傘スポットのQRコードを読み取ると、ロックが外れて傘を借りられる。1本140円(24時間)と、月額280円で同時に2本までレンタルできるプランがある。