
トランプ米大統領が、イスラエルによるイラン攻撃を「カード」にして、イランに核開発を巡る交渉で譲歩を迫る姿勢を鮮明にしている。
トランプ氏は、13日の攻撃前まではイスラエルに自制を求めていたが、攻撃後は一転して「非常に成功した」などと評価した。イランに対して、さらなる攻撃の可能性を示唆しながら、合意に応じるよう圧力をかけている。ただ、軍事的緊張が続く中では、イラン側が受け入れるのは困難とみられる。
「そうは思わない。むしろ逆だろう。彼らは今、真剣に交渉するかもしれない」。米ニュースサイト「アクシオス」によると、トランプ氏は13日、イスラエルの攻撃がイランとの協議を難しくするかを記者から問われ、こう主張した。
これに先だって、「イランは全てを失う前に合意しなければならない」とも述べていた。
トランプ氏は当初、イスラエルに自制を求めていた。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、トランプ氏は9日にイスラエルのネタニヤフ首相と電話協議した際、もう少し外交的な取り組みをしたいと伝えた。
だが、ネタニヤフ氏はイランは合意を結ばないと繰り返し主張したという。
12日の再度の電話協議では、ネタニヤフ氏が、トランプ氏が対イランで設定していた「2カ月」の交渉期限の最終日を迎えたと指摘した。その上で、イランへの攻撃をこれ以上遅らせることはできないと訴えた。
トランプ氏は、米国は攻撃を妨げないとしつつ、攻撃を支援しない方針も強調した。
トランプ氏は12日、「(イランとの)合意の可能性がある限り、攻撃してほしくない」と記者団に説明していた。だが、この数時間後、イスラエルは攻撃に踏み切った。
トランプ氏は攻撃後に姿勢を転じた。イスラエルの攻撃について、自らの外交的な取り組みを強化するために利用しようという意図がにじむ。
ロイター通信とのインタビューでは、イスラエルの攻撃計画について「我々は全てを(事前に)知っていた。合意成立のため、イランを一生懸命助けようとした」と説明した。その上で「イランはまだディール(取引)できる。遅すぎることはない」と改めて合意に意欲を示した。
米・イランの6回目の協議は、オマーンで15日に予定されていたが、開催は危ぶまれている。CNNによると、ウィットコフ中東担当特使は12~13日の夜通し、協議実現のため、オマーン側と連絡を取り合っていたという。
こうした中、トランプ氏は13日、ネタニヤフ氏と再び電話協議した。内容は明らかになっていない。また、米国は、イランが13日に報復として実行したイスラエルへのミサイル攻撃に関し、イスラエルによる迎撃を支援した。【ワシントン松井聡】

