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台湾でヒットの長編ドキュメンタリー「島から島へ」 京都で7月上映


台湾ドキュメンタリー映画「島から島へ」が、7月6日に京都で上映される。この映画は、太平洋戦争中に日本軍に参加した台湾出身者について、単なる被害者ではなく加害者としての側面も考察している。約21万人の台湾出身者が戦地に送られ、3万人以上が犠牲となったが、彼らは日本語能力を活かし通訳や監視員としても活動した。監督の廖克発は、台湾人の戦争責任を問い、日本の植民地政策を深く掘り下げる。この作品は台湾で高い評価を受けており、上映後には監督と歴史顧問によるトークセッションも開催される。

 日本統治下にあった台湾で太平洋戦争中、台湾出身の若者たちは日本軍人・軍属として戦地に送られた。その戦争の記憶を多面的に掘り起こした台湾ドキュメンタリー映画「島から島へ」(原題「由島至島」、廖克発監督)の上映会が7月6日、京都市下京区のキャンパスプラザ京都第2講義室で開催される。

 戦時下、約21万人の台湾出身者が東南アジアなどの戦地に送られ、少なくとも3万人が犠牲になった。

 台湾出身者は日本語が話せたので、日本軍占領地の華人社会で憲兵の通訳などにさせられた。マレー半島での日本軍による華僑虐殺事件では、通訳などとして事件に関与した者もいた。また、捕虜収容所で監視員となり、上官の命令により捕虜に暴行を加えた者もいた。

 現在の台湾では、台湾出身日本兵は戦争に巻き込まれた被害者として語られる。だが、マレーシア出身で台湾在住の廖監督は「単なる被害者という見方だけでいいのか」と疑問を投げかける。

 作品は、さまざまな立場の人々の心情を丹念に追い、戦争を多面的に見詰めた労作だ。約4時間50分の長編だが、台湾では上映されるたびにチケット完売が相次ぐ。2024年、台湾映画祭「第61回金馬奨」でドキュメンタリー賞など2冠を獲得するなど高い評価を受けている。

 上映会は、京都大の学者や学生らによる自主講座「認識台湾」の主催。企画した駒込武教授は「台湾人の軍人・軍属は一面において日本植民主義の被害者でありながら、他面において東南アジアの日本占領地の住民への加害者的な位置に置かれた」と指摘。そのうえで「この映画は、台湾人軍人・軍属の責任を厳しく問う作業を通じて、さらに台湾人を動員しながら戦争を推進した者たちの責任を問わず語りに浮き彫りにしている。戦後80年、ぜひ多くの人に見て、考えてもらいたい」と話す。

 当日は上映後にアフタートークがある。来日する廖監督と、作品で歴史顧問を務めた藍適斉・政治大歴史学部副教授も登壇する。入場無料。事前申し込みが必要(https://renshitaiwan0706.peatix.com)。【鈴木玲子】

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