
パレスチナ自治区ガザ地区の戦闘を巡り、イスラム組織ハマスは5月31日、米国のウィットコフ中東担当特使が示した新たな停戦案に対し、回答を提出したと明らかにした。複数のイスラエルメディアなどによると、ハマスは停戦案の修正を要求しているという。イスラエル当局者はハマスが実質的に受け入れを拒否したとみている。
ハマスは声明で、イスラエルが収監するパレスチナ人の釈放と引き換えに、人質10人と18人の遺体を引き渡すとした。ハマス幹部はAP通信に対し、停戦案は恒久停戦の保証やイスラエル軍のガザからの撤退などについて明確に説明していないとし、修正するよう求めたと明らかにした。
ホワイトハウスは29日、イスラエルがウィットコフ氏の停戦案を受け入れたと明らかにしており、ハマスの対応が焦点だった。
トランプ米大統領は30日、「合意にとても近づいている」とホワイトハウスで記者団に述べた。近日中に「お知らせする機会があるだろう」とも語り、合意を発表する可能性を示唆した。【エルサレム松岡大地】