
トランプ米大統領は30日(日本時間31日午前)、米東部ペンシルベニア州ピッツバーグ近郊にある米鉄鋼大手USスチールの工場で開かれた集会で演説し「我々は偉大なパートナーを持つことになる。日本は素晴らしい国だ」と述べ、日本製鉄とUSスチールの提携を歓迎した。また、鉄鋼・アルミニウムに対する関税を現行の25%から50%に引き上げることも表明。6月4日に発動予定だ。
鉄鋼関税、6月4日に発動へ
演説でトランプ氏は「今日発表する日鉄の投資は記録的なものだ」と述べ、日鉄が米鉄鋼産業で過去最大となる140億ドル(約2兆円)をUSスチールに投資することになると強調した。「我々はこの歴史ある企業が米企業であり続けることを確実にする超大型の合意を祝福するためにここにいる」とし、提携により業績不振のUSスチールが米国に本社を置くなど現在の経営形態を維持したまま再建が可能になるとの見通しを示した。
集会には日鉄の森高弘副会長とUSスチールのデビッド・ブリット最高経営責任者(CEO)も参加。森氏は壇上でトランプ氏に謝意を示し、提携が「次世代の鉄鋼産業のゲームチェンジャーになる」と述べた。 演説に先立ち、ホワイトハウスも声明を出し「トランプ氏は、USスチールと日鉄の間のパートナーシップ(提携)を仲介した。140億ドルの投資は少なくとも7万人の雇用を生み、今後数十年にわたり米国で鉄鋼が生産されるのを保証する」と表明した。
トランプ氏はUSスチールと日鉄の提携交渉に関し「彼らは何度も頼んできたが私は断り続けた。だが4回目くらいに、彼らが本当に偉大なことをしようとしていると分かった」と説明。「誰もこれほどの資金は出さないだろう」と巨額投資を喜んだ。ただ、日鉄がUSスチールの株式をどの程度、取得するかなど具体的な提携の中身については言及しなかった。
一方、トランプ氏は集会で「我々は米国に入ってくる鉄鋼に対する関税を25%から50%に引き上げる。米鉄鋼産業を更に守るつもりだ」と明言。全ての国に発動している25%の鉄鋼・アルミ関税を倍に引き上げる考えを示した。
トランプ氏は自らの交流サイト(SNS)で鉄鋼・アルミ関税の引き上げは6月4日になると投稿し、米国の関連産業は「かつてないほどの復活を遂げる」とアピールした。トランプ政権は3月12日に鉄鋼に対する25%関税の適用除外を全廃し、アルミに対する関税を10%から25%に引き上げた。3カ月足らずで税率をさらに引き上げることになる。【ワシントン大久保渉、ピッツバーグ金寿英】
