
脱毛サロンチェーン「ミュゼプラチナム」の元従業員ら10人が16日、給与が支払われない状態が続いているとして、運営会社「MPH」(東京都大田区)の破産手続きの開始を東京地裁に申し立てた。帝国データバンクによると、給与の未払い総額は約15億円で負債総額は約300億円と見込まれるという。
申し立て後に記者会見した30代の元従業員の女性は、2024年4月ごろから給与支払いが遅れるようになり、25年1~3月分の給与が未払いだと明かした。MPH側からは年内までに未払い分を支払うと説明を受けたが、「信用できない一日でも早く解決することを願っている」と涙ながらに訴えた。
帝国データバンクによると、ミュゼプラチナムは24年12月時点で全国に166店舗を展開し、従業員は約3300人。積極的な広告戦略や脱毛サービスの使い放題プランなどが人気を呼び、会員数は400万人超に上る。しかし、過大な広告費や、新型コロナウイルス禍による店舗休業などで業績が悪化した。
MPHは、3月22日からの全店舗営業停止を発表。全従業員に退職勧告を出しており、混乱が広がっている。【安達恒太郎】