
インターネットの通販サイトで、拳銃と同様の殺傷能力のある銃が「おもちゃ」として売られていることを警察庁が確認した。このような銃は拳銃に該当し、所持や販売などは銃刀法に違反する。警察庁は「見つけても購入せずに、警察に連絡してほしい」と注意を呼びかけている。
警察庁によると、少なくとも16種類が確認されており、すべて中国製。黄緑、紫、オレンジといったおもちゃのような色遣いのものもあった。プラスチック製の薬きょうと弾がセットで販売され、薬きょうにはスプリングが内蔵されていた。
このような拳銃は、警視庁が2022年6月に玩具として売られているのをサイバーパトロールで見つけて鑑定。金属の弾を装塡(そうてん)して発射できる構造で、銃刀法で所持などが規制されている拳銃と同様の威力があった。
出品されていた国内の通販サイトの協力を得て、警視庁は拳銃を回収。しかしその後も、ほかのサイトで同じような拳銃が販売されていた。「おもちゃ」「8歳以上向け」などとして売られていたという。
警察はこれまでに銃刀法違反の疑いがある拳銃を約1100丁回収した。23年11月以降は、ホームページなどで注意喚起を始め、銃刀法違反(所持)の疑いで約30件を摘発。発砲された事件は確認されていない。
出品されていた通販サイトは国内や米国、中国の業者が運営。警察庁は各業者に販売しないよう要請したが、中国の一部の業者は販売を続けているという。【山崎征克】