
藤井聡太名人(22)に永瀬拓矢九段(32)が挑戦する第83期名人戦七番勝負の第2局(毎日新聞社、朝日新聞社主催)が29日午前9時、東京都大田区の羽田空港第1ターミナルで始まった。
囲碁・将棋のタイトル戦で初めての空港での対局になった前期に続いての名人戦開催となった羽田空港。太陽の光に輝く航空機が滑走路を行き交う様子を横目に、盤上は角換わり模様でスタートした。
後手番の永瀬九段は8五歩を保留したまま先手からの角交換を誘い、藤井名人がこれに応じて後手陣は3三金―8四歩型の見慣れない格好となった。立会の中村修九段は「これが永瀬九段のやりたかった形。8筋の歩を保留した意味はこれから明らかになるでしょう」とみる。
永瀬九段は3二金と引いて藤井名人に飛車先交換をさせる代わりに銀冠囲いを築く。1歩を手にした藤井名人は4五歩と突いて4六角と打つスペースを作った。
解説の広瀬章人九段は「後手は歩切れなので、先手の藤井名人はじわじわ模様をよくしていく方針です。永瀬九段は待機策を取って藤井名人の攻めをとがめにいこうとしています」と分析した。
持ち時間各9時間のうち、昼食休憩までの消費時間は藤井名人1時間40分、永瀬九段54分。【丸山進】