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「過剰な事務負担恐れた」高速船浸水隠し、JR九州子会社を書類送検


JR九州高速船は、福岡市博多区を拠点に運航していた高速船「クイーンビートル(QB)」が浸水したにもかかわらず、その事実を隠ぺいして運航を継続したとして、大きな問題となった。福岡海上保安部は、この問題に関連して、前社長田中渉氏を含む8人と同社自身を海上運送法違反容疑で書類送検した。この法律は、北海道・知床沖での観光船事故を受けて改正され、違反が厳罰化されたもので、安全確保命令違反での立件は全国初となる。船内のセンサーを改ざんし警報を無効にしたほか、航海日誌に浸水の事実を記載しなかったなどの不備が指摘された。これを受け、JR九州は2024年12月に問題を受けた運休中のQBの運航再開を断念し、日韓航路から撤退することを決定した。

 JR九州の子会社「JR九州高速船」(福岡市博多区)が日韓を結ぶ高速船「クイーンビートル」(QB)の浸水を隠して運航を続けた事件で、福岡海上保安部は9日、田中渉前社長(56)ら8人と法人としての同社を海上運送法(安全確保命令、安全管理規定)違反容疑などで書類送検した。  海上運送法は2022年4月に北海道・知床半島沖で起きた観光船沈没事故を受けて改正され、23年6月から安全確保命令に対する違反が厳罰化された。国土交通省によると、安全確保命令違反での立件は全国初。  他に書類送検されたのは当時、取締役だった小川仁氏(57)と柴田康祐氏(61)=共に懲戒解雇、社員だった男性(45)、船長だった45~50歳の男性4人の計7人。船舶安全法違反(臨時検査不受検航行)や船員法違反(航海日誌不記載など)の容疑でも立件した。  送検容疑は、JR九州高速船は23年2月、QBの浸水を隠して運航したとして国交省から同6月に安全確保命令を受け、事故などが起きれば速やかに報告するよう命じられていたのに、24年2月13日~5月30日の間、再び浸水を隠して運航。その際、浸水量が増しても警報が鳴らないように船底から約44センチの高さにあったセンサーを約1メートルの位置に上げたり、航海日誌に浸水について記載しなかったりしたなどとしている。  福岡海保によると、8人と同社はいずれも容疑を認め、「浸水を報告すれば、運航停止になる可能性が高く、キャンセル対応などで過剰な事務負担が生じることを懸念し、報告しなかった」などと説明したという。  JR九州は24年12月、問題発覚後に運休していたQBの運航再開を断念し、日韓航路からの撤退を発表した。【栗栖由喜】

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