
少子化で学校の統廃合が全国的に進む中、川崎市幸区では大規模マンション建設に伴う人口増により、市内で6年ぶりとなる新小学校「市立新小倉小」(幸区新小倉)が誕生した。7日に入学式と開校式があり、500人超の児童が一堂に会して新たな春を迎えた。
開校式では、田中康子校長が「この学校は新小倉2番地に住んでいる人しかいない珍しい学校です。他校よりも強い絆で、つながっていけると思います」とあいさつした。新小倉小の開校は、市内の小学校としては115校目で、小杉小(中原区)以来6年ぶりの新設となる。
学区は旧国鉄の新鶴見操車場跡地を再開発した新川崎地区にあり、学校のすぐ隣には6棟のマンションが立ち並ぶ。最寄り駅はJR横須賀線新川崎駅などで、東京都心へのアクセスも比較的良く、学区内の人口は10年前はゼロだったが、昨年末には5131人に達した。
校舎は鉄骨造りの4階建て。児童数は新1年生の他、周辺の市立小倉小、市立東小倉小などから転校した2~6年生合わせて535人で、すべて近隣のマンションの住民だ。
周辺ではさらに2棟のマンションが完成予定で、一層の人口増が見込まれる。児童数は2030年度にピークを迎え、1200人を超えると予想されている。増加に対応するため、多目的室を普通教室に転換して利用するという。
福田紀彦市長は1日の記者会見で、「今の(少子化の)時代に新校というのは他の自治体ではなかなか見られない。地域の皆でサポートしていきたい」と語った。【葛西大博】