
今春高校を卒業した大城心愛(おおき・ここあ)さん(18)が、通っていた大阪府立成城高校(大阪市城東区)から三重県伊勢市の伊勢神宮内宮まで約155キロを5日間かけて歩き切った。23日午後、宇治橋前に到着した大城さんは晴れやかな笑顔で「自分との闘いだったが、ゴールできて良かった。今回の歩き旅で得た自信を糧に、4月から社会人として頑張ります」と話した。【小澤由紀】
「紀伊半島横断歩き旅」と題した挑戦は、リヤカーを引いて国内外5万キロを踏破した冒険家で成城高で講師を務める永瀬忠志さん(69)が生徒に「一つのことをやり遂げることの大切さと達成感」を伝えたいと、2011年の春休みに始めた。毎年希望する生徒を募り、ものづくりの授業で生徒が溶接して作ったリヤカーに荷物を積み込み、夜はテントを張って自炊しながら、4泊5日の歩き旅を実行してきた。
大城さんは2年時から歩いてみたいと思いを温めてきた。19日に先生たちの見送りを受けて学校を出発し、重さ約60キロのリヤカーを引きながら、大阪から奈良、三重へと歩を進めた。
一番つらかったのは2日目、奈良県内の桜井市から宇陀市への道のりで、なだらかながら8キロも上り坂が続き、何度も心が折れそうになったという。3日目にはアップダウンが続き、下り坂で足に痛みが出始めると、「夜、家の敷地に泊まらせてくれた一人暮らしのおばあちゃんが湿布をくれた。焼いてくれた餅やおにぎりがものすごくおいしくて、これまで当たり前と思っていたことの尊さを実感した」。
人の優しさに触れながらも、「つらさを経験しなければ成長できない」と自らに言い聞かせ、1日約30キロ前後を歩き、23日午後に伊勢市へゴールした。
大城さんの到着を見届けた永瀬さんは「途中心配したが、最後までよく歩いてくれた。乗り切った自信をこれからの人生のどこかで役立ててもらえたら」と今後に向けてエールを送った。
