
米地質調査所(USGS)によると、ミャンマー中部で28日午後0時50分(日本時間午後3時20分)ごろ、マグニチュード(M)7・7の地震があった。隣国タイでも高層ビルが倒壊して数十人が生き埋めになった。詳しい被害状況は明らかになっていないが、ミャンマー、タイ両国で多数の死傷者が出た恐れがある。ロイター通信によると、ミャンマーの軍事政権は非常事態宣言を発令した。
震源はミャンマー第2の都市マンダレーから約17キロ、震源の深さは10キロ。約12分後にもM6・4の揺れが発生し、その後も余震が続いているという。↵
ミャンマーの独立系メディア「ミッジマ」は中部バゴー地域で約20人が死亡したと報じた。ネット交流サービス(SNS)には、イラワジ川にかかる橋が崩壊した写真なども投稿され、多数の建物が倒壊した恐れがある。ミャンマーでは2021年2月の軍事クーデター以来、国軍と民主派や少数民族勢力との武力衝突が続いており、被害状況の把握には時間がかかる可能性がある。
タイの首都バンコクでも強い揺れが感じられ、多くの市民が建物の外に避難した。地元メディアによると、建設中だった30階建ての高層ビルが倒壊した。プンタン副首相兼国防相は、少なくとも作業員ら3人の死亡が確認されたほか、約90人が行方不明になっていると明らかにした。
中国国営中央テレビは地元当局の情報として、ミャンマーと国境を接する雲南省瑞麗市でビルから落下物があり複数人が負傷したと報じた。多数の家屋損壊も確認されており、地元当局が救援隊を組織して対応に当たっている。
日本外務省領事局によると、今回の地震ではこれまで、ミャンマー、タイ両国で日本人がけがをしたという情報はない。【武内彩(バンコク)、国本愛】