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静かに余生を過ごす元突撃カメラ、ニコンF2


ニコンF2は1970年代、報道分野でキヤノンF-1と並ぶ人気を誇ったカメラです。最大の強みはその頑丈さと信頼性にあり、特に悪天候や過酷な環境下でその価値を発揮しました。取材現場での競争や過激な行動にも耐える堅牢さは、当時の激しい取材合戦には不可欠だったとされています。このカメラは、電池なしで動作する機械式のシャッターを特長とし、使い勝手が向上した設計が魅力でした。さらに、近距離収差を補正するNIKKOR-N Auto 24mm F2.8レンズと組み合わせることで、高い描写性能を実現していました。今日の電子機器時代にはない魅力を持つニコンF2は、多くの写真記者にとって、過去の貴重な体験を象徴する存在です。

 ライバルのキヤノンF-1と並んで、1970年代に報道畑で愛用されたニコンF2は、頑丈さが最大の強みでした。悪天候時の信頼度がとにかく高かったです。過酷な現場で苦楽を共にした黒ボディーは、擦り減って金色の地金が目立つものも多かったと記憶しています。使う機会がなくなっても、大切に保管している人は多いでしょうね。【中村琢磨】

 個人情報保護も、マイノリティーや社会的弱者を守るポリティカルコレクトネスも、声高に叫ばれていない時代。取材現場では今ならあり得ない、荒っぽい行動がしばしば見られました。

 そんな時代を支えたカメラは、撮影ポジションを奪い合う“乱闘”でこそ底力を発揮しました。どんなに屈強なテレビクルーと衝突することがあっても、体当たりぐらいでカメラがどうにかなることはありませんでしたね。

 令和の取材現場に立つ写真記者には信じられない光景でしょう。後輩たちの名誉のために言いますけど、今は“紳士・淑女的”ですよ。「本当か?」と思う方は昔のニュース映像のアーカイブをたどって、ニコンF2を構える猛者たちを見てみてください。大いに納得してもらえるはずです。

 黒ボディーは全く問題なく作動していましたが、白ボディーは低速シャッターが不安定だったかな。潤滑油をちょっとだけ差したらすぐに復活したので、個体差なのかもしれません。カメラが精密機械ではなく、電子機器となった今となっては、これもすごいことなんですけどね。

撮影機材

Nikon F2

 1959年に発売されたNikon Fの後継機で71年に発売されました。露出計を内蔵したファインダーこそ電池が必要でしたが、シャッターを切るのに電池が不要な機械式でした。Fと形状は似ているけど、中身は全く異なるそうです。使い勝手が画期的に変わったのは裏蓋(ぶた)の開け方。Fが裏蓋をまるごと取り外すのに対して、F2はちょうつがいが付いています。このおかげでモータードライブ装着時のフィルムの出し入れが容易になりました。

NIKKOR―N Auto 24mm F2.8

 1967年に発売されたこのレンズは、初めて近距離の収差変動を補正する近距離補正機構を搭載したレンズだそうです。高い描写性能を誇り、屈強なF2との組み合わせは“乱闘”現場にピッタリでした。使用した個体はF3やFM-2などでも使いやすいようにボディーに開放F値を伝えられるAi改造をしています。Aiって、流行の人工知能じゃないですよ。オートフォーカスになる前のニコンのレンズシステムです。

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