
米連邦捜査局(FBI)は24日、電気自動車(EV)大手テスラの車両を狙った放火事件について重点捜査するためのタスクフォースを設立したと発表した。トランプ米政権下でFBIも人員削減が進められる見通しだが、トランプ大統領と「蜜月関係」にあるイーロン・マスク氏が率いるテスラには手厚く人員を割く形だ。
FBIの報道官が24日、X(ツイッター)に「FBIはタスクフォースを立ち上げ、テスラへの暴力的な攻撃を取り締まる」と投稿した。アルコールや爆発物などを取り締まる米司法省内の専門機関と共同で捜査を進める。
FBIのパテル長官もXに「FBIはテスラに対する暴力行為の増加について調査しており、ここ数日、取り締まりのための追加措置を講じている。これは国内テロだ」と投稿し、重点的に捜査する考えを強調した。
マスク氏は新設された政府効率化省(DOGE)トップとして連邦政府の人員と予算を大幅に削減し、有権者の怒りを招いている。「極右」勢力に肩入れする政治的発言も反発を招き、全米各地でテスラ車が放火される事件が発生。マスク氏と親しいトランプ氏は、テスラ車放火を「テロリストとみなす」と語り、厳罰に処す考えを示している。
ただ、ロイター通信などによると、FBIは国内テロ対策を担当する部署の人員削減を計画している。大規模リストラが進められる中で、テスラへの手厚い対応が目立つ格好となりそうだ。【ワシントン大久保渉】