
機械式駐車場を巡り談合を繰り返したとして、公正取引委員会は24日、機械式駐車場設備メーカーなど計7社の独占禁止法違反(不当な取引制限)を認定した。談合を自主申告するなどした会社を除く5社に対し再発防止を求める排除措置命令を出すとともに、うち4社については計5億2613万円の課徴金納付も命じた。
公取委によると、7社は遅くとも2017年6月以降、大型の商業施設やマンション、オフィスビルなどに設置される機械式駐車場の設備を巡り、事前に受注業者や受注金額を決めるといった談合を繰り返した。受注金額を押し上げるのが目的だったとみられる。
排除措置命令を受けた5社は、新明和工業(兵庫県宝塚市)▽住友重機械搬送システム(東京都品川区)▽日精(同港区)▽日本コンベヤ(同千代田区)――の設備メーカー4社と、代理店のフジパスク(同世田谷区)。日本コンベヤを除く4社が課徴金の納付も命じられた。
このほか談合には、IHI運搬機械(同中央区)とエヌエイチパーキングシステムズ=18年に日本コンベヤと合併=も加わっていた。IHIは22年6月に談合への参加をやめ、公取委に自主申告したことから課徴金減免制度(リーニエンシー)が適用され、課徴金納付命令と排除措置命令をいずれも免除された。エヌエイチは会社自体がすでに存在していないため、処分の対象から外れた。
7社のうち複数社が、業界団体の公益社団法人「立体駐車場工業会」で広報委員を務め、そこで関係を構築し談合につなげていたという。公取委は24日、会員に法令順守の周知徹底を図るよう同会に要請した。【渡辺暢】