
ロシアの侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は20日、ウクライナと米国の実務者が24日にサウジアラビアで協議すると明らかにした。24日には米露の専門家会合もサウジで予定されているが、それとは別の場所で開くという。ロイター通信が伝えた。
ゼレンスキー氏は記者会見で、「米側の話によると、(ウクライナとの協議の場とロシアとの場を米国の代表が行き来する)シャトル外交が行われることになる」と述べた。
ゼレンスキー氏とトランプ米大統領は19日に電話協議し、近く実務者協議を実施すると発表していた。現在、ロシアはエネルギー施設への攻撃停止には同意し、ウクライナも賛成している。協議では、全面停戦に向けて戦闘停止の範囲を広げる方策などが議題となる。
一方、ゼレンスキー氏は会見で、トランプ氏が電話協議で提案したウクライナの原子力発電所を「米国が所有する」とのアイデアについても言及した。
ウクライナメディアによると、ゼレンスキー氏は、ロシアが占拠する南部ザポロジエ原発についてトランプ氏から聞かれたが「その所有については議論していない」と説明。トランプ氏に対して「(原発は)国の所有物なので単純に譲り渡すことはできない」と伝えたという。【ベルリン五十嵐朋子】