
警察庁は21日、暑さ対策のため、全国の警察で2025年度からポロシャツ型の夏の制服を導入すると発表した。現在の制服になった1994年以来、暑さ対策による変更は初めて。また、暑さ対策とは別に、全国一律で女性用スカートを通年で廃止する。
現在、警察官の夏服は男女ともに水色のワイシャツを着用している。新たに導入するポロシャツ型は同じ水色で、生地のポリエステルの割合を増やし、通気性と速乾性を高めた。
伸縮性も高めており、頭からかぶって着るタイプなので着替えやすくなるという。ワイシャツと同様、長袖と半袖があり、えりやポケットの大きさは変わらない。
また、交番の警察官らが着用することが多い「活動帽」の上部をメッシュ素材にして通気性を高める。行事などでかぶる「制帽」の記章を金属からシリコンなどの素材に変更し、洗濯できるようにする。
着用規則も変更し、交番や駐在所内での脱帽も認める。近年、平均気温の上昇により、現場からも暑さ対策を求める声が上がっていた。警察庁は「第一線の警察官の健康を確保したい」としている。
制服は都道府県の予算で購入する。ポロシャツ型については5月に埼玉県警で100着を試行。効果を検証し、全国でも導入していく。
暑さ対策とは別に、女性用のスカートを廃止する。交番など現場で活動する部署に男女問わず配置されるようになったため、スカートを着用する警察官はほとんどいないという。この実態に合わせた合理化のため廃止することになった。
女性警察官の制服が統一された76年には女性の夏服はスカートしかなかった。その後、94年に夏ズボンも導入されるようになった。既にスカートの支給をやめている警察本部もある。【山崎征克】