国特別史跡に無断でキャンプ場開設 不動産侵奪疑いで2人逮捕 福岡

　国特別史跡にある他人の土地を無断で造成し、キャンプ場を開設したなどとして、福岡県警は20日、中国籍の会社役員、劉暁慶（リュウシャオチン）（41）と、同社員の夫李勇（リヨン）（42）の両容疑者＝いずれも宇美町とびたけ3＝を不動産侵奪容疑で逮捕した。

　無断で造成された土地一帯は、太宰府市の四王寺山（しおうじやま）（410メートル）中腹にある、日本最古の山城の一つである国特別史跡「大野城跡」にあたる。県警によると、2人が荒れ地を造成し、キャンプ場に必要な小屋やコンテナ、トイレなどを設置したという。

　逮捕容疑は、2人は共謀して2022年10月～23年9月下旬、劉容疑者を含む22人が共同所有したり、16人が個人所有したりする太宰府市太宰府の土地計2286平方メートルを無断で造成し、キャンプ場を開設するなどしたとしている。県警は2人の認否を明らかにしていない。

　県警によると、2人はアプリを使って国内外から集客していたという。24年6月、土地所有者の一人から「自分の土地にキャンプ場ができている」と県警に相談があり、捜査していた。会社の従業員の関与などを含め、調べを進める。【宗岡敬介】