
藤井聡太王将(22)に永瀬拓矢九段(32)が挑戦し、藤井王将が3勝1敗と王手をかけて迎えるALSOK杯第74期王将戦七番勝負第5局(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催、ALSOK特別協賛、囲碁・将棋チャンネル、立飛ホールディングス、森永製菓、名古屋鉄道協賛、王将戦・渋沢栄一生誕の地深谷市実行委員会協力)が8日午前9時、埼玉県深谷市の旧渋沢栄一邸「中の家(なかんち)」で始まった。2016年10月のプロ入り以来、後手番の2手目には必ず8四歩を指していた藤井王将は、初めて3四歩と別の手を選んだ。
「奨励会の頃は2手目で3四歩と突くことは多く、(8四歩に)こだわってきたわけではない。工夫や面白い指し方を探っていく」。藤井王将は第1局前日の1月11日、2手目に8四歩を指し続ける気はないと説明していた。藤井王将が後手番のたびに着手が注目されていたが、第1、3局の2手目は8四歩だった。本局ではついに別の手を選び、モニターで見守っていた控室では「おー」とどよめきが起こった。
この手を見ると永瀬九段は20秒ほどうつむき、顔を上げると小首をかしげて少考した後に角道を開けた。序盤は時間を使わずに指すタイプだが、3手目で考慮時間1分が付いた。その後も永瀬九段は一手に10分以上使いながら慎重に進めた。
解説の佐々木慎七段は「2手目にはびっくりしたが、永瀬九段は研究の蓄積が豊富なので、本命の作戦ではなくても予定を外されたほどではないはず。どのような陣形から3五歩と仕掛けるか探っているのでしょう」と推測した。
持ち時間は各8時間。午後6時に指し掛けとなり、9日に指し継がれる。立会は藤井猛九段、記録は円谷晴揮二段が務める。【丸山進、新土居仁昌】
指し手(16手まで)
[先]永瀬
[後]藤井
<1>2六歩 (2)3四歩
<3>7六歩1 (4)4四歩
<5>2五歩2 (6)3三角
<7>4八銀2 (8)3二銀
<9>3六歩5 (10)8四歩
<11>7七角10 (12)5二金右3
<13>8八銀14 (14)4三銀5
<15>3七銀11 (16)5四歩7
