
ロシアの侵攻を受けるウクライナで6日夜から8日にかけて、各地のエネルギー施設などがミサイルや無人航空機(ドローン)の攻撃を受け、少なくとも14人が死亡した。米国による軍事支援や情報共有の一時停止を受け、露軍が攻撃を激化させている可能性がある。
ウクライナのゼレンスキー大統領は6日、ブリュッセルでの欧州連合(EU)首脳会議で演説した際、平和実現に「必要なステップ」として、エネルギー施設への攻撃を含む空と海での部分的な戦闘停止を提案。ロシアが停戦に前向きであるかどうかを「確認するためだ」と説明し、欧州の首脳らに支持を求めたばかりだった。
ロイター通信によると、ウクライナ内務省は8日、東部ドネツク州ドブロピリアで複数の高層ビルに弾道ミサイルなどが着弾し、少なくとも11人が死亡したと明らかにした。東部ハリコフ州では、ドローン攻撃で3人が死亡したという。
また、地元メディアによると、中部ポルタバでは、エネルギー最大手「DTEK」のガス生産施設が被害を受け、操業を停止した。西部テルノピリでもガス供給に影響が出たという。
米政府は5日、ウクライナへの機密情報の共有を停止したと発表。米シンクタンク「戦争研究所」によると、共有される情報はロシアのミサイル発射を伝える早期警戒システムにも役立っていた。停止により、市民の被害が拡大する恐れがあるとしている。
一方、ウクライナのメディアは7日、露西部クルスク州で越境攻撃中のウクライナ軍が掌握する主要集落スジャ近郊で、露軍が防衛線を突破したと伝えた。ウクライナ軍の一部を包囲しかけているという。
ウクライナ軍は昨年8月に越境攻撃を開始。一時1300平方キロ超を占領したが、今年1月時点で露軍はウクライナが占領した地域の6割を奪還したと主張した。【ベルリン五十嵐朋子】
