
兵庫県の斎藤元彦知事らが複数の疑惑を文書で告発された問題を巡り、県議会調査特別委員会(百条委)がまとめた最終報告書は5日、知事ら県当局に示された。多数の会派からは報告書の指摘を「重く受け止めて」との注文が相次ぐ一方、調査の中立性に疑義を唱える議員もいた。
「9カ月間しっかり調査してまとめた結果なので、斎藤知事には受け止めてもらうことが大事だ」。午前中に開かれた県議会の本会議後、浜田知昭議長はこう述べ、斎藤氏の動向を注視する考えを示した。
本会議では、百条委が調査報告書を県当局に提出することが了承された。報告書の文言は各会派の意見をすりあわせた結論であったが、全会一致には至らなかった。
起立による採決が求められた瞬間、岸口実県議は会場から退いた。政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首に疑惑に関連する情報を提供したとして、兵庫維新の会から除名処分を受けた百条委の元副委員長は、報告書の内容に賛否すら示さなかった。
増山誠と白井孝明の2県議は着席したまま反対の立場を取った。元百条委員の増山氏は採決に先立つ反対討論で、斎藤氏への不信任決議が可決された2024年9月の段階で「百条委は外形的中立性、客観性が損なわれた」と批判した。白井氏は5日、日本維新の会に離党届を出していた。
各会派の意見はさまざまだ。
最大会派・自民党県議団の北野実幹事長は「知事には議会や県職員、県民との間に生じた深い溝を埋める努力をしてほしい」と要望した。さらに、岸口、増山の両氏が百条委の非公開情報などを外部に漏らした点を踏まえて「2人は結果責任を重く受け止めるべきだ」と厳正な処分の必要性を示唆した。
公明党県議団の越田浩矢幹事長は「これまでの混乱の要因の一つに知事が自分の正当性をかたくなに主張し続けてきたことがある。改めるべき点があれば行動していただきたい」。ひょうご県民連合の上野英一幹事長は「知事には調査結果を受けて非があったと認めてほしい。政治家としての身の処し方について、どう結論を出すか見ていきたい」と話した。
共産党県議団の庄本悦子団長は、斎藤氏が24年3月27日の記者会見で告発した元県西播磨県民局長を「うそ八百」「公務員失格」と非難したことについて「発言を撤回して謝罪し、懲戒処分取り消しという名誉回復を図るのが、斎藤知事が最初にやるべきことだ」と主張した。
告発文書に記載された内容の真偽については、外部の弁護士で構成する第三者委員会も3月中に調査結論をまとめる見通しだ。維新県議団の門隆志幹事長は「県民からは、報告書が議会の会派間の駆け引きでまとめられたと疑念を抱かれている。第三者委の結論とあわせて斎藤知事は判断してほしい」と、もう一方の調査の行方を見守る意向を示した。【栗田亨、中尾卓英、山田麻未、山本康介】
