
兵庫県の斎藤元彦知事らが複数の疑惑を文書で告発された問題で、県議会の調査特別委員会(百条委)は4日、最終報告書を公表した。プロ野球の阪神タイガースとオリックス・バファローズの優勝パレードを巡る不正疑惑について「捜査当局の対応を待ちたい」と結論付けた。
一連の問題は元県西播磨県民局長が2024年3月、パワーハラスメントや贈答品の「おねだり」を含む七つの疑惑を示した告発文書を一部の報道機関や県議に匿名で配布したことで発覚。間もなく、県は内部調査で告発者を特定した。
この4カ月後、県議会が設置した百条委に証人として出席予定だった元局長が親族宅で死亡しているのが見つかった。自殺とみられている。
告発文書に記載されていた一つが、23年11月に開催された阪神とオリックスのリーグ優勝を記念したパレードを巡る不正疑惑だ。パレードは県や大阪府、関西経済連合会などでつくる実行委員会の主催で、神戸と大阪両市で開かれた。
6億円を超えた開催費用はクラウドファンディング(CF)による一般からの寄付や企業の協賛金で賄う方針だったが、資金の調達は難航した。元局長は「(県内の)信用金庫への補助金を増額し、それを募金としてキックバックさせることで補った」などと記し、不正によって必要経費が捻出されたと訴えた。
報告書は、斎藤氏の最側近だった片山安孝元副知事が信金に協賛金への協力を依頼し、2000万円を集めた時期と、県補助金の増額時期が符合すると指摘した。
そのうえで、「広告も出せないなど何のメリットもない中で協賛金の協力が1日で取りまとめられたなど不自然な点も見受けられる」と記載する一方、片山氏らや信金側が関連を否定しているとした。
百条委は「一部で事実誤認や臆測も含まれているが、一定の事実が記載されており、虚偽の内容とまでは言えない」としたが、最終的な判断は捜査当局の対応に委ねると結論付けた。
パレードの疑惑を巡っては、市民団体などが斎藤氏や片山氏に対する背任容疑の告発状を提出。兵庫県警が受理し、当時の詳しい経緯を慎重に調べている。【古川幸奈、砂押健太】
