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不満、あきらめ 米との会談、ウクライナ市民はどう受け止めた?


米国のトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の間で行われた会談は、公の場での激しい非難の応酬があり、共同記者会見が中止されるという異例の展開となりました。ウクライナ国民や政治評論家は、この会談がウクライナと米国の関係に悪影響をもたらし得ると懸念しています。一部のウクライナ人はトランプ氏の言動を批判し、ゼレンスキー氏を支持していますが、両国の関係の複雑さや戦争の継続に対する疲れを表明する声もあります。政治評論家は、今回の会談が和平交渉の厳しさを増す可能性があるとしつつ、今後の展開に注目しています。

 米国のトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の会談は、公開の場で激しい応酬を繰り広げ、トランプ氏がゼレンスキー氏を「失礼だ」と批判したあげく、共同記者会見も中止される異例の展開となった。ロシアによる侵攻開始から4年目に入ったウクライナの国民は、この結果をどう受け止めたのか。

 「トランプ氏は、ロシアよりもウクライナにプレッシャーをかける方が楽だと思っているようだ。だが、ゼレンスキー氏はトランプ氏の手に乗らなかった。だから怒ったのだろう」

 キーウの美術学校に通うアルテム・ブリジャノフさん(20)は、「第三次世界大戦に賭けるのか」「もっと(米国の支援に)感謝しなければならない」などとゼレンスキー氏を罵倒したトランプ氏の言動を冷ややかに受け止めた。

 キーウで美容師をしているオリハさん(42)も「トランプ氏は老衰だと思う。ゼレンスキー氏を猛烈な勢いで批判して挑発していた。だが『超大国の我々が望むのだから、お前は黙っていろ』という態度は、もう一人の老人であるロシアのプーチン大統領と変わらない」と憤った。

 東部ハリコフ方面の旅団に所属する男性兵士(31)は「米国との関係は壊れてしまった。過去の核保有国間とのブダペスト覚書(1994年)などで、米国は我々を『守る』と言っていたのに、一人の米兵も前線には来ない」と批判。「武器を押しつけて高額な請求書を送り付けているだけだ。明日、誰かが星条旗を燃やしたとしても驚かない」と不満をぶちまけた。

 一方で、東部ドネツク州に住む建築業の男性(38)は「兵士はもちろん、その家族、前線近くの住人は疲れ果てている。停戦を求めていた人たちにとって残念な結果に終わった」とした上で、「会談でゼレンスキー氏は戦争継続を求めていることが分かった。その様子を見て、この戦争の無意味さを理解した人もいるだろう」と漏らした。

 オデッサのネイリスト、ナージャ・リエンさん(36)は、あきらめ顔でこう話した。「会談はサーカスだった。誰かが本当の交渉を始めるまで、こうした見せ物が続くのだろうか」

 ウクライナの政治評論家、ウォロディミル・フェセンコ氏は「会談は、感情が理性より先走ってしまい、ウクライナと米国のいずれにとっても予期せぬ大惨事となった。双方にとって打撃だ」としつつも、「残念ながらウクライナにとってよりリスクが大きい展開となった」と指摘。今後について「和平交渉に向けた試みは続くだろう。ただ、トランプ氏主導の交渉が失敗する可能性は大幅に高まっている」と分析した。【ブリュッセル岡大介】

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