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ロシアから見た停戦協議 狙いは「米国による対ウクライナ援助停止」


トランプ米大統領はウクライナでの停戦実現を目指し、プーチン露大統領との早期会談を計画している。ロシアの外交アナリスト、ドミトリー・トレーニン氏は、トランプ氏がウクライナに特に興味を持っているわけではなく、経済的利益を求めてロシアとの交渉を進める意向があると見ている。プーチン氏はトランプ氏をビジネス重視の現実的な人物として理解している。トランプ氏はロシアを敵と見なしておらず、バイデン政権のウクライナ政策を過ちと捉えている。ロシアはウクライナ支援を止め、ゼレンスキー政権の降伏を求めており、欧州は米国に代わりウクライナ支援を行う可能性があるが、その影響力は限定的と考えられる。トランプ氏は和平交渉に興味があるが、平和構築には深入りしたくない意向とされ、一方、和平交渉には複雑な要素も含まれている。

 トランプ米大統領はプーチン露大統領と早期に会談し、直接交渉でウクライナでの停戦の実現を目指している。トランプ氏のこうした前のめりの姿勢はロシア側からはどう見えているのか。ロシアの外交アナリスト、ドミトリー・トレーニン氏に聞いた。【聞き手・モスクワ山衛守剛】

 トランプ氏は原則的にウクライナに興味はなく、ロシアから特定のものを得るためにウクライナをロシアに「売る」だろう。第一には経済的なことだ。露米間の協議では経済協力の可能性が語られた。トランプ氏のアプローチは純粋にビジネスライクだ。米民主党のオバマ元大統領やバイデン前大統領のようにイデオロギー的な観念で動くことはない。プーチン氏はトランプ氏を取引ベースで仕事をする現実的な人間だとみている。

 トランプ氏もロシアを敵だとは思っていない。トランプ氏からみれば、バイデン政権の過ちだったウクライナ問題を除けば、ロシアとの間に地政学的な問題はないからだ。米国の影響力をロシアとの国境まで拡大しようというのは、米民主党の極めて愚かな考え方だ。露米の対立は最も壊滅的な結果をもたらす可能性がある。トランプ政権はそれを必要としていない。

 ただ、トランプ氏は停戦には興味があるが、平和構築には関わりたいと思ってはいなそうだ。一定のラインまでやれば十分であり、歴史に名を残すことができる。しかし、これはロシアのビジョンとは一致しない。(ウクライナの「中立化」「非軍事化」「非ナチ化」という)交渉条件に関するロシアの見解は変わっていない。ロシアにとって重要なことは、ウクライナに対する米国の援助を止め、ゼレンスキー政権を降伏に向かわせることだ。

 和平交渉に当たってロシアは基本的な要求を妥協することはできない。この戦いですでに多くの人々を失っている。犠牲を無駄にしないためには任務の遂行を追求する必要がある。

 一方、米国とは異なり、欧州はハンガリーとスロバキアを除けばウクライナの次に世界で最も反ロシア的な地域にみえる。ウクライナは欧州の力を借りて抵抗するかもしれない。

 ウクライナへの米国の援助は激減するとみられ、欧州諸国が追加資金を投入することになるだろう。しかし、これまでの米国の援助に完全にとって代わることはできない。ただ、トランプ氏は欧州と米国内の民主党の両方から圧力を受けるかもしれない。そうなると、和平全体の話が非常に複雑になる可能性がある。

ドミトリー・トレーニン

 外交アナリスト。モスクワ生まれ、国立軍事大卒。ソ連(後にロシア)軍勤務を経て2008年からカーネギー国際平和財団モスクワセンター所長を務めた。センターは22年4月に露政府によって閉鎖された。

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