
米国の首都ワシントンにある住宅都市開発省で24日、トランプ大統領が実業家のイーロン・マスク氏のつま先にキスしているような偽の画像が省内のモニターに映し出される騒動があった。米メディアが報じた。誰が何の目的で流したのかは不明だが、連邦政府の大規模なリストラを主導して「影の大統領」とも形容されるマスク氏への反発が背景にあるとみられる。
報道によると、偽の画像はAI(人工知能)を使って作成されたとみられ、トランプ氏はマスク氏の足をマッサージして、つま先にキスする様子を表していた。トランプ氏が自身を「王様」に例えたことを念頭に「本当の王様に万歳」という字幕がついていたという。
マスク氏は22日に「1週間に成し遂げたことを5つ報告しろ」と政府職員にメールを送った。24日が期限で「報告がなければ、退職希望とみなす」と脅したが、一部の政府機関では「返信する必要はない」との指示があったという。24日はマスク氏の主導で「在宅勤務の原則撤廃」が施行される初日でもあった。住宅都市開発省職員はNBCニュースに「画像は抵抗の証で、職員は痛快だと思っている」と述べた。【ワシントン秋山信一】