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兵庫県の斎藤元彦知事らの疑惑が文書で告発された問題に関連し、日本維新の会所属の兵庫県議の2人が、政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首への情報提供に関与したことが明らかになった。維新の吉村洋文代表が20日、報道陣に対して、今週末にも党として調査結果を公表すると明らかにし、県議2人については「記者会見で動機も含めて、説明責任を果たしてもらう」と述べた。
維新の増山誠県議は、知事選への影響を避けるため非公開で開かれた2024年10月の百条委(秘密会)の録音データを立花氏に提供した。増山氏は19日夜のインターネット番組で事実を認めて「ルール違反なので謝罪したい。県民に広く伝えることが重要だと思った」と述べた。
この行為について、吉村氏は「(百条委の)総意として秘密会とした趣旨からすると、他党の党首に漏らすというのは、ルール違反だったと思う。(増山氏の)思いは分かるが、あってはならないことだ」と批判した。
一方、維新の岸口実県議は、斎藤氏の失職に伴う知事選告示翌日の24年11月1日、民間人とともに立花氏と面会し、文書を手渡しする場に立ち会った。この文書は、疑惑を追及する県議会の調査特別委員会(百条委)の委員だった竹内英明元県議(25年1月に死亡)を「黒幕」と名指しする内容だった。これを根拠に、立花氏がSNS(ネット交流サービス)などで発信し、竹内氏らが中傷される一因となった。
岸口氏は19日、報道陣に対して「その場に同席していたことからすると、私から渡したと言われても抗弁のしようがない。大変軽率で申し訳ない」と述べた。【東久保逸夫】