
2018年2月、暴走した乗用車に男性がはねられ死亡した事故で、運転手だった元東京地検特捜部長の石川達紘氏(85)が車の欠陥が事故原因だとして、トヨタ自動車と販売会社に計1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は20日、請求を棄却した。
訴状によると、石川氏は18年2月18日朝、東京都内の路上にトヨタの高級車「レクサス」を駐車。その際、アクセルペダルを踏んでいないにもかかわらず、車が発進・加速し、死亡事故が起きたとしていた。
石川氏側は降車しようとした際に両足を車外に出しており、アクセルペダルを踏むのは不可能で、車の発進は欠陥が原因だと主張。運転席のドアが開くと自動的に車が制御される機能を搭載する義務がトヨタ側にあったとしていた。
一方のトヨタ側は石川氏が誤ってアクセルペダルを踏んだと反論し、石川氏が主張する制御機能も国の基準では義務づけられていないと訴えていた。
石川氏は刑事裁判でも自動車運転処罰法違反(過失致死)と道交法違反に問われた。車両の欠陥が原因だと無罪を主張したが、1審・東京地裁は21年2月、「誤ってアクセルペダルを踏み込んだ」として禁錮3年、執行猶予5年の有罪を言い渡した。後に判決は確定し、石川氏は弁護士資格を失った。【菅野蘭】
