
兵庫県の斎藤元彦知事の文書告発問題に絡み、政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首が地域政党・兵庫維新の会の岸口実県議から文書で情報を提供されたと主張していた問題で、岸口氏は19日、兵庫県庁で報道陣の取材に事実関係をおおむね認め、内容について「私が書いたものではない。その場で読んだ」と語った。
2024年11月の兵庫県知事選を巡り、立花氏は動画サイトで、この文書を神戸市のホテルで片山安孝元副知事の仲介人から手渡され、仲介人は岸口氏だったと明らかにしていた。
岸口氏は、斎藤知事を巡る疑惑の真相究明を進める県議会の調査特別委員会(百条委)の委員を務めている。
岸口氏によると、当日は民間の知人に誘われて立花氏と面会したという。
岸口氏は「目的をもって会ったわけではなかった」と説明したが、「その場に同席していたことからすると、私から渡したといわれても抗弁のしようもない。大変、軽率で申し訳なく思っている」と語った。
この文書には百条委のメンバーだった竹内英明元県議を中傷する内容が含まれていたとされ、立花氏は文書を根拠に知事選でさまざまな主張を展開した。竹内元県議はインターネット上にあふれた中傷に苦しんでいたといい、今年1月になくなった。自殺とみられる。
岸口氏は立花氏に提供した文書の内容について「当時は書いている内容が事実かどうか判断がつかなかった」と釈明した。
一方、片山氏は代理人弁護士を通じて、「立花氏と面談したこと、話したことは一切ない」とする書面を公表している【栗田亨】