大阪・ミナミの「グリ下」に出入りする少女を東北地方などに連れ出して繰り返し売春させたとして、大阪府警は14日、堺市美原区の無職、滝本絵斗（かいと）（25）と大阪府大東市の会社員、新山隼士（21）両容疑者を売春防止法違反（管理売春）や営利目的誘拐などの疑いで逮捕したと明らかにした。グリ下に集まっていた複数の少女が滝本容疑者の指示を受けて地方で売春したと話しているといい、府警が関連を調べている。
逮捕容疑は2024年6月15～25日、当時16歳の少女を車で連れ出し、東北各県や新潟県などで売春させたとしている。府警は2人の認否を明らかにしていない。
府警少年課によると、少女は家出中で、若者らが集まるグリコ看板下の遊歩道「グリ下」に出入りしていた。容疑者らは付近で声をかけ、「出稼ぎに行く」「100（万円）なんか余裕で稼げる」と持ちかけていたという。
容疑者らはインターネットの出会い系サイトで成人女性をかたって売春相手を募集。相手がいるホテルに少女を送迎し、1回1万5000円程度で計100人以上の男性と性的行為をさせたとみられる。
少女は連れ回されている間は1日1食しか与えられず、「帰りたかった」と話しているという。売春で得た代金の6割は容疑者らが得ていたとみられ、少女は4割を受け取っていた。府警は容疑者らが組織的に売春をさせていた疑いもあるとみて、他に関わった人物がいないか捜査を進める。【小坂春乃】
