
楽天グループが14日発表した2024年12月期連結決算は、本業のもうけを示す営業損益が529億円の黒字(前期は2128億円の赤字)で、モバイル事業に本格参入する前の19年12月期以来、5年ぶりの黒字に転換した。最終(当期)損益は1624億円の赤字(同3394億円の赤字)。最終赤字は6年連続だが、モバイル事業の採算が改善するなどし、赤字幅は縮小した。
売上高は前期比10・0%増の2兆2792億円。電子商取引(EC)サイト「楽天市場」や旅行予約の「楽天トラベル」などが好調だった。
楽天は「携帯電話市場の民主化」を掲げ、20年4月にNTT、KDDI、ソフトバンクに続く4番目の事業者としてモバイル事業に参入した。だが通信網や基地局整備などの投資負担が重く、赤字続きのモバイル事業は長くグループ全体の重荷となってきた。
「プラチナバンド」の認可を取得し、24年6月にサービスを開始して以降、課題だったつながりやすさでも改善を進めてきた。シンプルな料金体系や、楽天ポイントを核とする経済圏も駆使しながら若年層を中心に利用者を拡大。24年12月末時点の携帯電話の契約回線数は830万回線で、前年比40%近く伸ばした。【藤渕志保】