
東日本高速道路(ネクスコ東日本)東北支社は13日、東京電力福島第1原発事故の避難者が高速道路を無料で通れる「ふるさと帰還通行カード」の不正利用があったと発表した。同社が同カードの不正利用者を特定して発表するのは初めて。
同カードは旧警戒区域に住んでいた避難者らが一時帰宅などで避難元へ往来する際に利用でき、個人名と顔写真が記載され、利用時に料金所で提示する。所有者の1人は2020年7月~23年10月、知人1人にカードを貸し、高速料金約30万円を免除させていた。同社に通報があって発覚した。同社は、所有者のカード利用を停止して資格を取り消すとともに、不正通行した知人に割増金(免れた料金の2倍)を合わせた約90万円を請求した。
同カードを巡っては、過去にもレジャーや通勤といった制度の趣旨から外れた不適正な利用事例があった。【尾崎修二】