
トランプ米大統領は4日、ホワイトハウスでイスラエルのネタニヤフ首相と会談した。トランプ氏は会談後の共同記者会見で、パレスチナ自治区ガザ地区について、米国が掌握し、イスラエルによる攻撃などで倒壊した建物や不発弾を撤去して経済開発を進めると説明。長期的な所有を目指す意向も表明した。戦後の復興プランを示した格好だが、波紋を広げそうだ。
トランプ氏が2期目の就任後に外国首脳と対面で会談するのは初めて。トランプ氏はこれに先立ち、会談の冒頭で記者団に、ガザで多数の建物が破壊された現状を強調。「ガザの人々は美しい土地を手に入れるべきだ」として、住民がエジプトやヨルダンなどに「恒久的」に再定住することが適切だとの考えを示した。
ガザでのイスラエルとイスラム組織ハマスとの戦闘を巡っては、バイデン政権(当時)とトランプ氏側が仲介で協力し、1月19日に「3段階」からなる停戦合意が発効。現在は6週間を期限とする一時的な停戦と、ハマスが拘束する人質の解放などが進む。残る生存中の人質の解放や、恒久的な停戦に向けたイスラエル軍のガザからの完全撤退を含む「第2段階」に進めるかが焦点となっている。
トランプ氏は会見で、停戦に関し、「どうなるか分からないが、継続されることを望む」と述べた。
ただ、ネタニヤフ氏はこれまで「戦闘再開」の可能性に言及してきた。戦闘再開を主張する閣内の極右勢力の更なる離脱を防ぐ目的があるとの指摘がある。米ニュースサイト「アクシオス」は、ネタニヤフ氏がトランプ氏に対して、「第2段階」の実施を強制しないよう説得する意向だと報じていた。【ワシントン松井聡】