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米鉄鋼2位、USスチール買収検討か 1株30ドル台後半 米メディア報道


米鉄鋼大手クリーブランド・クリフスが、USスチールを買収する可能性を検討していると報じられています。買収額は1株30ドル台後半で、日本製鉄による買収計画の55ドルを大きく下回る見込みです。クリーブランド・クリフスはニューコアと協力し、買収後にUSスチールの子会社を売却し、反トラスト法違反を避けることを考えています。バイデン大統領は、日本製鉄の買収計画を国家安全保障上のリスクとして中止命令を出しており、これに対し日鉄とUSスチールは提訴しています。対米外国投資委員会は計画破棄の期限を6月中旬まで延長することを認めました。

 米CNBCテレビは13日、米鉄鋼大手クリーブランド・クリフスが、USスチールを買収する可能性があると報じた。買い取り額は1株当たり30ドル台後半で、日本製鉄の買収計画(同55ドル)を大きく下回る。買収後にUSスチールの子会社を米ライバル企業に売却することも検討。反トラスト法(独占禁止法)違反を回避するとみられる。

 報道によると、クリフスは米鉄鋼最大手のニューコア・コーポレーションと協力して、買収に乗り出す可能性がある。クリフスが全額現金でUSスチールを買収した後、USスチールの子会社ビッグリバー・スチールをニューコアに売却する。USスチールの本社は米東部ペンシルベニア州ピッツバーグに残す。

 クリフスは米鉄鋼2位で、2023年夏にUSスチール買収に失敗している。その後、日鉄がUSスチールと合意した買収計画を全米鉄鋼労組(USW)とともに非難し、計画破談後のUSスチールの資産買い取りを検討していた。

 バイデン米大統領は今月上旬、「国家安全保障上のリスクがある」として、日鉄によるUSスチール買収計画に対し中止命令を出した。日鉄とUSスチールはこれを不服として、バイデン氏やクリフス社、USWなどを提訴している。

 一方、買収計画を審査してきた対米外国投資委員会(CFIUS)は、バイデン氏の命令を受けた計画の破棄期限を当初の2月上旬から6月中旬まで延長することを認めた。【ワシントン大久保渉】

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