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東京・世田谷の分譲マンションで施工不良 東急不動産が解体方針


東京都世田谷区の分譲マンション「東急ドエル・アルス世田谷フロレスタ」で複数の施工不良が発覚。設計図と実際の建物の向きがずれており、建築基準法の高さ制限に違反している。東急不動産は建物の耐震性の安全が確保できないとして解体を決定し、住民に対して買い取りを提案。しかし住民の中には建て替えを希望する声もあり、反発が起きている。問題の原因は測量ミスとしているが、住民は対応に不満を示している。

 東京都世田谷区内の分譲マンションで複数の施工不良が見つかり、事業主の東急不動産が住民に買い取りを提案していることが判明した。設計図面と実際の建物の向きがずれており、建築基準法の高さ制限などに違反しているという。区の行政指導を受けた東急不動産は「耐震性の問題に関して安全性を確保できない」として、建物を解体する方針。

 1998年に完成した世田谷区若林5の「東急ドエル・アルス世田谷フロレスタ」(鉄筋8階建て、49戸)。東急建設が設計・施工し、東急不動産が販売した。

 マンション管理組合の住民や弁護士らが11日、都内で記者会見して明らかにした。組合側によると2018年以降、1階でカビが発生するなどの問題が起き、組合がコンサルタント会社と調査。その後、東急不動産側の調査で、はりや床などに開いた多数の穴や、耐震壁のひび割れなどの施工不良が確認された。

 東急不動産は21年、管理組合に「補修工事では安全性の確保が困難」として建て替えを提案し、仮住まいの住居を提供。全住民がいったん退去し、建物は鉄骨で仮補強されている。

 さらに、マンションの向きが建築前の図面より西側にずれていたことが測量で判明。この場所で建てられる建築基準法の高さ制限に違反していた。報告を受けた世田谷区は24年11月、違法状態を是正するよう管理組合と東急不動産を行政指導した。

 東急不動産は一転し、建て替えずに買い取って解体することを組合側に提案した。12月20日までに買い取りを承諾しなければ、仮住まいから退去するよう求めているという。ただ、建て替えを希望する住民もおり、組合の役員は「ひどい対応だ。東急不動産には誠意をもって対応してほしい」と訴えた。

 東急建設の担当者は毎日新聞の取材に「構造上の欠陥はあったが、補修はしてきた。建物が倒壊するような安全性の問題があるとは思っていない」と釈明。「品質は重要で、こういうことがまた起きないように取り組みたい」と述べた。

 マンションの向きが図面と異なっていたことについて、東急不動産は「偽装ではなく測量が誤っていた」と説明。「早期に違法建築物を解決したい。同じものは建てられないので、建て替えから買い取りに変更した。所有者には納得いただきたい」と話している。【原田啓之、佐久間一輝】

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