鼻をながーくして待ってました――。福岡市動物園(同市中央区)で30日に始まったアジアゾウの一般公開。ゾウが見られるのは2017年以来7年ぶりとあって正門前には午前9時の開園前から列ができ、来園者はゾウが運動場の丘を登ったり水浴びしたりする姿に歓声を上げていた。
「ぞうさんいた!」。ゾウ舎から22歳と3歳の雌の親子が出て来ると、地元のくるみ保育園の園児が口々に叫んだ。その声に驚いたのか、子の「わかば」はじりじりと後ずさり。母親の「ゆずは」にくっついて運動場を歩き、慣れると園児の前でエサを食べ始めた。
ゾウを初めて見たという松岡あかりさん(6)は「耳も目も全部可愛かったし、大きかった。近づいたらちょっと臭かった」と笑顔。飼育員の白浜祥平さん(32)は「一般公開が1カ月延期され、来園者は首を長くして待っていたはず。この日を迎えられてよかった。子ゾウは50~60年と長生きすると思うので、市民のシンボルのような存在になってくれたら」と語った。
園内のレストランではゾウをかたどったハンバーグなど新メニューが登場し、売店でもゾウの関連グッズが販売されている。開園時間は午前9時~午後5時(入園は同4時半まで)。入園料大人600円、高校生300円、中学生以下無料。月曜休園。【竹林静】