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ストローを紙にした意味って…?専門家が明かすプラ廃棄物の行く末


ウミガメの事件を契機に、世界的にプラストローの廃止が進む中、日本の大手飲食チェーンも取り組んでいるが、全体のプラスチックゴミ削減への効果は限られている。一方で、企業はカップやおもちゃなど他の製品でもプラスチック量の削減を進め、かなりの成果を上げつつある。プラストロー廃止は消費者の意識改革に寄与しているものの、持続可能な材料調達や、プラスチック製品の設計段階でのリユース可能性の向上が重要と指摘されている。さらに、日本が処理できないプラスチックを海外に輸出し続ける問題を抱えており、適正な処理が保証されていない。環境負荷を減らすためには生産量自体の削減も重要で、企業は商品設計から廃棄まで考慮した取組が求められる。

 ウミガメの鼻にプラストローが刺さった衝撃的な写真がネット上で拡散したことが一つの発端となり、国内外の多くの飲食関連企業でプラストローの廃止が進んだ。ただ、プラストローの廃止は、海洋汚染や気候変動の対策の面で、どのくらい意味があるのだろうか。

 まず飲食大手の取り組みを紹介したい。プラストローの廃止に踏み切った、日本マクドナルドホールディングス、スターバックスコーヒージャパン(スタバ)、すかいらーくホールディングスの3社に取材した。「プラストロー廃止で87トンのプラスチックを削減」(すかいらーく)などの結果だった。

 プラスチック循環利用協会によると、国内の廃プラ総排出量は823万トン(2022年)に上る。プラストロー廃止による削減量は、それほど大きな割合ではないようにも見える。

 だが、ストローに続いてプラスチック製品全体を減らすため、店内で利用するカップをリユースできるものに変更したり、子ども向けのおもちゃでの使用を減らしたりしていた。マクドナルドは年間1350トン、スタバは累計3500トンのプラごみ削減につながっている。ストローをきっかけに一定の成果を出していると言えそうだ。

 ただし、課題を指摘する声はある。

消費者の意識変革も…

 飲食店ではプラストローの代わりに紙が使われることがある。

 「それで本当に環境負荷を減らしているのか、きちんと検証する必要があります」。世界自然保護基金(WWF)ジャパンのサーキュラーエコノミー・マネージャー兼プラスチック政策マネージャーの三沢行弘さんは語る。信頼ある国際認証を取得するなど持続可能に調達されているのか、調べる必要があるという。

 「プラストローの廃止は消費者の意識付けの面で大きな役割を果たしました。しかし、さらに踏み込んだ施策が必要です」と、三沢さんは言う。企業が商品を設計する「上流」の段階で、プラスチックの量を減らしたり、リユース可能な製品にしたりすることが重要だとした。

輸出されるプラごみ

 なぜプラごみを減らさないといけないのか。そこには、グローバルな課題があることを三沢さんは指摘する。

 日本は1人当たりのプラ製容器包装の廃棄量が、米国に次いで世界2位。「国内で処理しきれない廃プラを東南アジアに輸出しています」。マレーシアやベトナムなどが多い。財務省貿易統計によると、23年のプラくずの輸出量は約60万トンに上る。

 三沢さんが輸出先での実態を明かす。「プラスチック廃棄物の回収率が低く、流出量が最も大きい国々です。回収されても多くが不適切に埋め立てられるだけで、環境への負荷が非常に大きい状態。輸出した後に適正な処理が担保されるのか疑問です」

 また環境省の資料によると、リサイクルに適さないプラスチックに付いたラベルなどが、排ガス処理装置のついていない簡易炉で焼却されている例も報告されている。プラ製品は海洋汚染だけでなく、製造の工程や焼却時などに生じる温室効果ガスにより、気候変動の大きな原因ともなっている。

 このため、生産量自体を減らすのに加え、リユースやリサイクルを可能とする循環可能な商品設計も重要だ。企業は最後の「出口」までを考えた上で商品やサービスを提供する必要があると言えそうだ。【井出礼子】

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