ロシアのプーチン大統領は28日、ウクライナによる欧米製長射程兵器での露領内攻撃の報復として、ウクライナの首都キーウ(キエフ)の「意思決定の中枢機関」も含めて標的を選定していると明らかにし、政府中枢への攻撃を示唆した。極超音速の最新式中距離弾道ミサイル「オレシニク」使用の可能性も含めて対応するとしている。
カザフスタンの首都アスタナで開かれた旧ソ連諸国でつくるロシア主導の集団安全保障条約機構(CSTO)の首脳会議で話した。
プーチン氏は、ウクライナ軍による欧米製長射程兵器の使用について「紛争がエスカレートする危険性について警告したにもかかわらず、攻撃が行われた」と改めて批判。現在選定中の攻撃目標として、キーウの軍事施設や防衛産業企業、意思決定の中枢機関などを挙げた。オレシニクの量産が始まったとも話し、「最終的には何を標的とするかやロシアへの脅威に応じて攻撃の手段を選択する」と話した。
また、27~28日にかけての一晩で、ミサイル90発と無人機100機で、ウクライナ領内の軍事施設や防衛産業施設など17カ所を攻撃したと明らかにし、米国供与の長射程ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」による度重なる露領内への攻撃に対抗したと強調。あらゆる軍事作戦の運命は戦場で決まるとも話し、「たとえウクライナに最新兵器を供給したとしても、戦況は変わらない」と述べた。【モスクワ山衛守剛】