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難病の娘育てる星野真里さん「インクルーシブ教育からは遠い現実も」


俳優の星野真里さんは、難病「先天性ミオパチー」を患う小学3年の長女・ふうかさんの教育について語りました。ふうかさんは公立小学校の特別支援学級に通いながら、可能な範囲で通常学級でも学んでいますが、インクルーシブ教育の理想にはまだ遠い現状があります。星野さんは、子どもたちが障害の有無に関わらず共に学ぶことで、多様性や共生社会への理解を深められると信じています。ふうかさんの日々の様子をインスタグラムで発信し、より多くの人にこの現状を知ってもらうことを目指していることを明かしました。

 俳優の星野真里さん(43)が毎日新聞のインタビューに応じ、難病「先天性ミオパチー」を患う小学3年の長女、ふうかさん(9)の子育てについて語った。公立校の特別支援学級で学ぶふうかさんのサポート体制に関し「本人のペースで学べて本当にありがたい」と話した。一方で「自分たちが思い描いていた(障害のある子もない子も共に学ぶ)インクルーシブ教育からは遠い現実もある」と胸の内を明かした。

 ふうかさんは2歳を過ぎた頃、先天性ミオパチーと診断された。生まれつき筋肉が発達しにくく、呼吸不全やたんを出しにくいなどの症状が表れる国指定の難病だ。幼稚園は障害や病気がある子供を一定数受け入れているところに通い、健常児と同じ空間で過ごした。電動車椅子を乗りこなし、行事や工作を楽しみ、友達とけんかもした。

 星野さんは「お友達は大人が教えなくても、見よう見まねで娘にとって必要な介助をしてくれました。健常のお子さんたちとずっと一緒にいることが当たり前で、そのためにどうしたらいいか考えてくれました」と振り返る。

 進学を巡っては、通常学級で学ぶことも勧められたが、星野さんは設備や人員などのサポート体制が充実している公立小の特別支援学級を選んだ。「もっと体が成長していき、周りとの違いを感じる中で、同じような不自由を抱える友達の存在が彼女の支えになるかもしれないと思ったからです」。さらに同じ校内にある通常学級の友達とも共に学べたらと考えていた。

 現在、特別支援学級に在籍しながら、可能な範囲で通常学級でも勉強する。しかし、それには付き添いが必要で、頻繁に通うことは難しい。

 ある日の遠足では、通常学級の友達との交流を楽しみに出かけたが、あまり遊具に挑戦できず、ずっと特別支援学級の友達と過ごした。ふうかさんは「あまり楽しくなかった」と浮かない表情だった。「一緒にいる時間が圧倒的に少なく、通常学級のお友達も娘とどう接していいか分からないのではないでしょうか」

 星野さんは、病気の有無に関わらず子供たちが一緒に学ぶことで、多様性や共生社会への理解を深めることができると考えている。ふうかさんを取り巻く環境について「もう少し通常学級のお友達と共に過ごすことができたらうれしい」。

 こうした現状を伝えたり、同じような難病患者らの支えになったりしたいと、9月に病気を初めて公表し、ふうかさんのインスタを開設。学校生活の様子などを投稿している。星野さんは「通常学級の子供たちにとっても、自然に誰かをサポートする経験ができる場所として、学校をもっと活用できればいいのではないでしょうか。そのためには早く動き出した方がいいと思いました」と話す。「娘が将来を語るその目はキラキラと希望にあふれている。その目で見つめられたときに恥じることがないようにしたい」と力を込めた。【榊真理子】

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