北海道・東北エリア唯一の重粒子線がん治療施設として知られる山形大医学部東日本重粒子センター(山形市)が9日、初めて一般公開された。家族連れなど389人が施設内を見学した。
同センターでは2021年に治療を開始した。23年は県内外の患者662人が治療を受けた。
この日は世界で4台しか稼働していない最小、最軽量の全長10メートル、重量200トンの回転ガントリー照射装置やあらゆる角度から重粒子線を治療部位に照射できる回転ガントリー照射室を公開。炭素イオンを加速させる直径20メートルに及ぶシンクロトロン加速器など普段は見ることができない施設内のスペースにも参加者は入ることができ、感嘆の表情で写真に収めていた。
6月から重粒子線治療に公的医療保険が適用される疾患が拡大された。岩井岳夫センター長は「実際に見ていただくことで身近に感じてもらい、特にお子さんや若い人たちに理学や医学に興味を持ってほしい」と見学会の意義を語った。【竹内幹】