1996年に南米ペルーで起きた日本大使公邸占拠事件当時のペルー大使、青木盛久(あおき・もりひさ)さんが9日朝、死去した。家族への取材で明らかになった。85歳だった。2年ほど前から病気で自宅療養していたという。
青木さんは63年、外務省に入省。国際協力事業団(現・国際協力機構)青年海外協力隊の事務局長やペルー大使、ケニア大使を歴任した。ペルー大使在任中の96年12月、左翼ゲリラ「トゥパク・アマル革命運動」(MRTA)が首都リマの日本大使公邸を占拠する事件に遭遇し、ペルーの政府要人や在ペルー日本企業の駐在員らと共に127日間の人質生活を送った。97年4月、公邸に突入したペルー軍特殊部隊によって救出された。
葬儀は10日に近親者で営む。喪主は妻直子(なおこ)さん。【根本太一】