特別国会が11日召集され、10月27日投開票の衆院選で当選した議員たちは「職場」ともいえる国会に向かう。男女ともスーツ姿の印象が強い議員だが、国会にはドレスコード(服装規定)はあるのか?
衆院規則第211条では「議員は、議院の品位を重んじなければならない」と定められている。ドレスコードが明文化されているわけではないが、議院運営委員会で確認してきた慣例として、衆院では上着やネクタイの着用が原則義務づけられている。そのほか規則では、帽子や外とう、襟巻きなどの着用も禁止されている。
ただ、5月から9月までは「クールビズ」のため、上着やネクタイを外すことが認められる。衆院によると、襟付きシャツを着用すれば良いが、ポロシャツは不可。また、本会議はクールビズ期間であっても上着が必要だ。
天皇陛下が出席される国会の開会式では、さらに上級の正装が求められる。男性議員はモーニング、女性議員はアフタヌーンドレスなどの着用が求められ、それに準ずる形で、はかまや着物姿となる議員も少なくない。
有権者から見られることも多いことから、オーダーメードでスーツを仕立てている議員も少なくない。麻生太郎元首相は、首相時代も東京・北青山にあるスーツ店に頻繁に通うほどのスーツ好きで有名で、84歳となった今でもSNS(ネット交流サービス)などで着こなし方が注目を集める。岸田文雄前首相も、地元・広島の老舗スーツ店で仕立てていることで知られる。
石破茂首相は内閣発足の10月1日に首相官邸で行った記念撮影で、モーニングの上着から白いシャツが見えるなどしていた。こうした着こなしに対してSNSでは「だらし内閣」などとやゆする投稿もあった。【古川宗】