首都圏を中心に相次ぐ強盗事件と関連があるとみられ、山口県光市で茨城県の男子中学生を含む少年ら3人が強盗予備容疑で逮捕された事件で、狙われた住宅に住む女性が毎日新聞の取材に応じた。女性は「なんでうちなんだろう。狙われる心当たりがない」と困惑した様子で話した。
山口県警は21日、マイナスドライバーや粘着テープなどを持参して、20日夜に光市の住宅から金品を奪う準備をしたとして、千葉県多古町の自称男子高校生(18)、自称茨城県牛久市の男子高校生(16)、茨城県龍ケ崎市の男子中学生(14)を逮捕した。
女性は夫と2人暮らしで、20日夜は外出していた。夫は自宅で寝ていて、少年らには気づかなかったという。県警が3人を逮捕した後、自宅を訪れた捜査員から「(エアコンの)室外機に上って、家の中をのぞいていたようだ」と聞いた。女性は「寝ている時に襲われていたら危なかったかもしれない」と恐怖を語る。だが、実感はまだ湧かない。
狙われた理由も分からない。女性は「3人については全く知らない。大金を置いているわけでもなく、金庫や高価なものもない。うちは自営業だけど、近所にもそういう家はある。今はどうしてうちが狙われたのかが気になる」とけげんそうに話す。
捜査関係者によると、3人は互いに面識がなく、それぞれSNS(ネット交流サービス)を通じて「闇バイト」に応募。秘匿性の高いメッセージアプリで指示を受けて、事件に関わったとみられる。事件当日に東京都内で集合し、新幹線と在来線を乗り継いで現場を訪れたようで、「お金が欲しかった」という趣旨の供述をしているという。【小澤優奈、福原英信】