横浜市青葉区の住宅で住人の男性(75)が殺害されて現金を奪われた事件で、住宅に押し入った実行役の一人が事件の途中で近くのコンビニエンスストアを訪れて現金を引き出そうとしていたことが23日、捜査関係者への取材で判明した。
男性から奪ったキャッシュカードを使ったが、コンビニのATM(現金自動受払機)から出金はできなかったという。県警は指示役など複数の人物が事件に関与したとみており役割分担などを調べている。
事件では、県警は実行役の一人として、千葉県印西市、自称・個人事業主の宝田真月容疑者(22)を強盗殺人容疑で逮捕している。捜査関係者によると、宝田容疑者は、実行役は自身と他の若い男性2人の計3人と説明しているという。
実行役の一人が事件の途中で近くのコンビニを訪問。防犯カメラの映像などから、現金を引き出そうとしたが、できなかったことが確認されているという。県警はキャッシュカードの暗証番号を聞き出すために暴行を加えた可能性もあるとみて調べている。殺害された後藤寛治さんは手足を粘着テープで縛られており、体の広範囲に鈍器で殴られたような打撲痕があった。
宝田容疑者はSNS(ネット交流サービス)で「闇バイト」に応募し、指示役とつながったとされる。「途中で犯罪に加担することに気づいたが、個人情報を教えたため、仕返しが怖くて抜け出せなかった」と供述しているという。
県警の和田薫本部長は23日の定例記者会見で、闇バイトを通じて若者が強盗に加担しないよう呼びかけた。「危害を加えると脅迫されていても犯罪への加担は許されない。すぐに通報してほしい」と強調。相談があった場合は、県警が相談者やその家族を保護するという。【宮本麻由、横見知佳】