北朝鮮、30回目のごみ風船 韓国大統領夫妻の批判ビラを初めて散布

　韓国軍合同参謀本部は24日未明、北朝鮮が「ごみ風船」を飛ばしたと発表した。韓国メディアによると、韓国に飛来した風船の積載物には韓国の尹錫悦（ユンソンニョル）大統領と妻の金建希（キムゴンヒ）氏を批判するビラがあった。ごみ風船の飛来が始まった5月以降、このような内容のビラが散布されたのは初めて。

　TV朝鮮が確認したビラには、「建希王国」「尹錫悦に最も影響のある人物で金建希が3年連続1位」などの文言に、金氏の写真が掲載されていたという。中央日報によると、「現代版マリー・アントワネット」と書かれたビラには、金氏が海外訪問時に着けていたネックレスやブレスレットの値段が記されていた。

　韓国では現在、金氏の株価操作への関与や、知人から高級ブランドバッグを受け取ったとされる疑惑などを巡り、与野党が激しく対立している。

　こうしたビラは大統領府付近にもばらまかれたと伝えられている。北朝鮮がごみ風船を飛ばすのは5月以降30回目。全地球測位システム（GPS）やごみをまくための起爆装置を付けたものも確認されており、散布の精度を高めているとの指摘もある。【ソウル日下部元美】