韓国紙の朝鮮日報は16日、ウクライナ軍高官の話として、ロシア西部ブリャンスク、クルスク両州のウクライナとの国境付近で、北朝鮮軍兵士18人が集団脱走したと報じた。ウクライナ軍は、脱走したのは北朝鮮が対露軍事協力の一環で派遣した兵士らで、まだ拘束されていないとみているという。
露朝両国は6月の首脳会談で、有事の際の軍事援助を規定した包括的戦略パートナーシップ条約を締結。軍事協力を進展させる可能性が指摘されていた。
韓国の金龍顕(キムヨンヒョン)国防相は10月8日、「(北朝鮮が対露協力のため)正規軍をウクライナに派遣する可能性が高い」との見方を示した。
北朝鮮の派兵を巡っては、露政府は否定しているが、ウクライナ側からの情報発信が相次いでいる。
米紙ワシントン・ポストは11日、ウクライナ軍関係者の証言として「数千人規模の北朝鮮の歩兵部隊が露国内で訓練を受けている」と伝えた。年末までに前線に配置される可能性があるという。
また、ウクライナメディアは10月上旬、東部ドネツク州の露側占領地域で、北朝鮮軍の将校6人がウクライナのミサイル攻撃で死亡したと報じた。
米CNNは、北朝鮮がロシアに兵器を供給していることから、これらの兵器に関する工学的な支援や情報交換のために兵士が派遣されたとの情報を伝えている。【ソウル日下部元美】