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裏金処分の杉田水脈氏、「あらゆる可能性検討」 参院選も視野


 衆院選(15日公示、27日投開票)で、自民党山口県連が党本部に公認申請をしている杉田水脈前衆院議員(57)は9日、毎日新聞の取材に対し、公認されなくても、来年の参院選へのくら替え出馬など「あらゆる可能性を検討する」とし、政治活動を続ける考えを明らかにした。

 政治資金パーティーを巡る裏金事件で、清和政策研究会(安倍派)に所属していた杉田氏は、2018~22年に安倍派から受け取った寄付計1564万円を政治資金収支報告書に記載しなかったとして、党役職停止6カ月の処分を受けた。

 一方、県連は7日、比例中国ブロック単独候補として杉田氏を党本部に公認申請したと発表した。ただ、杉田氏は17、21年の衆院選で比例中国ブロックの単独候補として上位に登載されており、自民党は内規で比例単独での立候補は原則2回までとしている。

 このため、杉田氏は「(比例単独は)3回目となるし、今回は大変厳しい」とし、県連の申請が認められる可能性は低いとの認識を示した。

 そのうえで、「自民党へのご縁を頂いた安倍晋三元首相の遺志を今だからこそ、しっかり引き継いでいかなければいけない」と述べ、党公認候補としての出馬にこだわって、来夏の参院選も視野に入れていることを明らかにした。

 石破茂首相は9日、裏金事件に関わった議員の処遇について、参院選でも今回の衆院選と同じ基準で判断する考えを示した。これに対し、杉田氏は「地元も含め、私を応援してくれる人々がいる限り変わりはない」とした。

 裏金事件で、国会の政治倫理審査会(政倫審)で弁明しなかったことについては、「検察の取り調べを受けて不起訴となった後だし、『派閥の指示に従った』ぐらいのことしか言えない」などと釈明した。

 杉田氏は23年秋、アイヌ民族や在日コリアンに関するブログへの投稿内容を法務局から「人権侵犯」と認定されている。このことについては「なぜ差別したことになるのか。私は一切理解できない」などと主張した。【畠山嵩】

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