ダイナミックプライシングって知っていますか――。毎日新聞は、大学生向けスケジュール管理アプリ「Penmark」を展開するIT企業「ペンマーク」(東京都)と共同で、アンケートを実施した。ちまたで聞かれる「価格」にまつわる用語の認知度を調べてみた。
ダイナミックプライシング(DP)は、需要に応じて価格を変動させる仕組みだ。宿泊や航空業界などで活用されているほか、プロスポーツでも、対戦カードや試合の注目度などによってチケット価格を変動させている。同じ商品でも、時間や状況次第で値段が変わる「一物多価」の価格戦略が広がっている。
今回の調査では、DPについて「知らない」が74・4%を占め、「聞いたことがあるが、詳しく知らない」が15・9%で続いた。「よく知っていて、友人に説明できる」(5・1%)と「聞いたことがあり、友人に説明できる」(4・7%)は合計で1割弱にとどまった。
一方、インバウンド(訪日外国人)の急拡大により注目を集めているのが、日本人客と外国人客向けで値段を分ける「二重価格」だ。1杯2万円近い海鮮丼や、世界遺産・姫路城での外国人観光客を対象にした入場料の値上げ検討など、各地で熱を帯びている。
二重価格について尋ねたところ、「聞いたことがあるが、詳しくは知らない」が32・9%だった。「聞いたことがあり、友人に説明できる」(18・5%)と「よく知っていて、友人に説明できる」(15・3%)を合わせ、3人に2人は、何らかの形で認識している結果となった。「知らない」は33・3%だった。
外国人観光客向けに高い料金を設けることへの賛否も聞いた。「好ましい」が54・4%で半数を超え、「好ましくない」は24・2%、「分からない」が21・4%だった。
ペンマークの横山直明最高経営責任者(CEO)は、DPの認知度が低い点について「(DPが活用されるような)サービスを使う機会が学生にはあまりないのではないか」と指摘。二重価格に関しては、報道の影響もあって「外国人はお金を持っていて、円安で好き勝手に買い物しているというイメージが付いている」と語った。
アンケートは7月4~14日、ペンマークの利用者を対象にウェブで実施した。13項目の設問に、大学1~4年生の計1116人が回答した。【後藤豪】