天皇、皇后両陛下は6日、酒どころとして知られる佐賀県鹿島市を訪ね、日本酒や酒蔵のある街並みの魅力を生かした街づくりを進める地域の人々と交流された。天皇陛下は「昨日、ホテルでいただきました。おいしかったです」と鹿島の酒を飲んだと伝え、若手の蔵人たちの今後の活躍に期待した。
JR肥前浜駅の駅舎では、地元の祭りで観光客案内に活躍する「子ども街並みガイド」の小学4年生たちが、両陛下に手描きの地図を示しながら街の歴史を説明した。両陛下は「ありがとうございます」と伝え、街のどのようなところが好きかなどを尋ねていた。
また、駅にある日本酒のPR施設「HAMA BAR(ハマバー)」も見学。海外から観光客が来たり、約20カ国に酒を輸出したりするという説明に聴き入った。若手の酒蔵関係者には、それぞれの日本酒の味の特徴や酒造りの苦労を尋ね、「おからだに気を付けて仕事を続けてください」といたわった。女性の蔵人もおり、皇后雅子さまは「女性の方はどれぐらい活躍されていますか」と関心を示していた。
両陛下は国民スポーツ大会にあわせて5日から佐賀県に滞在していた。6日午前は佐賀市内でバレーボールの試合を観戦。日本バレーボール協会の川合俊一会長の説明に耳を傾けつつ、長いラリーが決着した瞬間に選手に拍手を送っていた。
川合会長によると、バレー談議が盛り上がり、天皇陛下はジャンプサーブについて質問。雅子さまは、パリ・オリンピックでバレー男子が激闘したイタリア戦を愛子さまと一緒にテレビ観戦し、盛り上がったことを明かしたという。【山田奈緒】